すでに接続情報やサブスクリプションを利用していて、iPhoneやiPadの機種変更を予定している方向けの記事です。移行時はHomeの接続情報、Configのルールファイル、Settingsの動作設定を分けて確認します。旧デバイスを残したままiCloudまたはファイルから復元し、最後にルールの適用状況と接続結果を確認してください。Configを1つ書き出しただけでは、アプリのデータ全体をバックアップしたことにはなりません。
移行するデータ:接続情報・ルール・動作設定を分けて確認
Shadowrocketの機種変更では、新しいデバイスに同じ一覧を表示させるだけでは不十分です。接続情報、使用中のConfig、Global Routingの設定が対応しているかを確認しましょう。Homeに接続項目が表示されても、接続情報が引き継がれたことしか分かりません。Configファイルが選択されているか、参照先のポリシーが有効かは別途確認が必要です。
iCloud同期は、対応するアプリデータを自分のデバイス間で引き継ぐ場合に適しています。Configの書き出しは、単独で確認・再読み込みできる設定ファイルを保存する方法です。どちらも、実際に何が引き継がれるか事前に確認してください。特にサブスクリプションから追加された接続、手動で追加した接続、システムのVPN許可は、「ファイルを保存した」だけで復元済みとは判断できません。
| 対象 | バックアップで保存する内容 | 新しいデバイスで確認する内容 |
|---|---|---|
| 既存の接続 | プロトコル、アドレス、ポート、認証情報 | 情報がそろっているか、使用する接続が正しいか |
| 既存のサブスクリプション | 元のサブスクリプションURL、グループ、更新設定 | 更新できるか、更新後に項目が変わっていないか |
| Configファイル | ローカルでの変更、ルールの順序、ポリシー参照 | ファイルが読み込まれ、実際に選択されているか |
| 動作状態 | Global RoutingやOn Demandなどの設定記録 | 新しいデバイスの使い方に合わせて確認し、接続のオン・オフ状態をそのまま引き継がない |
要点:復元手段を2つ用意する
iCloud同期を有効にしても、使用中のConfigと既存のサブスクリプション情報は別に保存してください。新しいデバイスでの確認が終わるまでは、旧デバイスのデータを消去しないでください。
旧デバイスのバックアップ:項目ごとに比較できる状態を作る
バックアップ前に、旧デバイスが期待どおり動作しているか確認します。設定に問題があるまま移行すると、同じ問題も新しいデバイスに引き継がれます。正常に動作している状態を記録してから書き出してください。機種変更当日にルールの大幅な変更、サブスクリプションの更新、接続の削除を同時に行うと、差異の原因を特定しにくくなります。
- Homeを記録する。現在選択中の接続名、所属するサブスクリプショングループ、プロトコルを記録します。手動設定の場合は、表示名だけでなく元のパラメーターをすべて保存してください。
- Global Routingを記録する。Proxy、Direct、Config、Sceneを区別してください。それぞれ異なるルーティング設定であり、同じルールのバックアップが4つあるわけではありません。ルールによる振り分けを使う場合は、Configが実際に選択されているかを記録します。
- Configを確認する。使用中のファイルを特定し、手動で変更したルールを保存してから書き出します。ほかにローカルで管理している関連ファイルがある場合は、それぞれの復元方法も確認してください。
- Settings → On Demandを確認する。有効かどうかと関連する条件を記録します。新しいデバイスでは手動接続の動作を確認してから、自動起動を戻すか判断してください。
- 機密情報の保存先を用意する。サブスクリプションURL、パスワード、書き出したファイルは自分だけがアクセスできる場所に保存し、公開共有リンクで渡さないでください。
iCloud同期:クラウド側の条件を確認してから復元結果を照合
iCloud同期には、デバイスのApple Account、システムのiCloud設定、ネットワーク状態、アプリが対応する同期範囲が関係します。デバイス全体のシステムバックアップとアプリ内同期は別の仕組みです。前者はデバイスの復元に、後者はアプリが対応するデータの同期に使われます。一方の完了表示だけで、もう一方も完了したと判断しないでください。
- 旧デバイスのシステム「設定」から自分のApple AccountとiCloudの設定を開き、iCloud Driveが使用可能か確認します。Shadowrocketに関連するiCloudアクセス権も確認してください。設定項目の名称はシステムのバージョンによって異なる場合があります。
- Shadowrocketを開き、Settingsで現在の画面に表示されるiCloud同期関連のオプションを確認します。同期する項目を選べる場合は、それぞれの内容を確認してください。「有効」と表示されていても、すべてのデータが同期対象とは限りません。
- ネットワークに接続した状態を保ち、旧デバイスの同期が完了するまで待ちます。完了までの時間は一定ではありません。同期のオン・オフを何度も切り替えるのではなく、データを照合してください。
- 新しいデバイスで同じApple Accountを使用し、Shadowrocketをインストールして開きます。システムとアプリの同期条件を確認したうえで、HomeとConfigに必要な項目が表示されるか確認してください。
- 旧デバイスで記録した内容と照らし合わせ、接続項目、ファイル、重要な設定を確認します。不足分は保存しておいたConfigファイルや既存の接続情報から補い、旧デバイスの内容を先に削除しないでください。
同期によって変更や削除がほかのデバイスにも反映されることがあるため、長期保存用の独立したスナップショットとは異なります。移行中の編集は、できるだけ1台のデバイスに限定してください。新しいデバイスに別の設定がある場合は、まず書き出して保存してから統合するか置き換えるか判断します。同じファイル名だけを根拠に、内容が同一だと決めつけないでください。
Configを書き出す:ファイルと参照先の情報を保存
Configには主に設定テキストとルールの処理が保存されます。接続定義が含まれるかどうかは、ファイルの内容によって異なります。Homeで個別に管理している接続一覧が、1つのConfigに含まれているとは限りません。書き出した後は、ファイルを開けるか、ルールがそろっているか、ポリシー名がほかの項目を参照していないか確認してください。
- 旧デバイスのConfigを開き、使用中のローカルファイルを見つけて、編集内容が保存されていることを確認します。
- ファイルの操作メニューから共有または書き出しを選び、自分の「ファイル」に保存します。実際に利用できる操作は現在の画面に従ってください。リモート設定のアドレスを、ローカルで編集したファイルのコピーと取り違えないようにします。
- 保存したファイルを開き、空のファイルでもリモートアドレスだけを記録したファイルでもないことを確認します。サブスクリプションの情報と、ファイルに含まれていない手動接続の情報も別に保存してください。
- 新しいデバイスでは、Configにあるファイル読み込み操作、またはシステムのファイル共有に表示されるShadowrocketの受け取り先から読み込みます。その後Configに戻り、ファイルが表示され、選択されていることを確認してください。
以下は確認箇所を説明するためのルール例であり、そのまま使える完全な設定ではありません。example.comと192.0.2.0/24はドキュメント用の例です。この内容で自分の設定ファイル全体を上書きしないでください。
[Rule]
DOMAIN-SUFFIX,example.com,DIRECT
IP-CIDR,192.0.2.0/24,DIRECT,no-resolve
FINAL,PROXY
確認時は、DOMAIN-SUFFIXなどの例外ルールが想定した位置にあること、FINALがルールの末尾にあることを確認します。ファイルがカスタムポリシー名を参照している場合は、新しいデバイスにも対応する定義があるか確認してください。リモートルールのURLがファイルに記載されていても、リソースの取得に成功したとは限りません。
要点:読み込み後は参照先も確認する
まずポリシー名と接続元を確認してから、ルールによる振り分けを有効にします。不足しているのがHomeの接続情報なら、保存済みの接続情報を読み込みます。同じConfigを何度も読み込む必要はありません。
新しいデバイスで復元:接続・ルール・自動起動の順に確認
新しいデバイスではApp StoreからShadowrocketを入手してから、データを復元します。ShadowrocketはAppleプラットフォーム向けの有料クライアントです。iPhoneとiPadのシステム要件はApp Storeの掲載情報を確認してください。購入記録と設定データは別のものです。購入を復元しても、サブスクリプション、パスワード、Configが復元されるわけではありません。
- まずパラメーターを確認する。Homeで復元された接続を確認します。たとえばTrojanの場合、Address、Port、Password、SNIが元の情報と一致しているか確認してください。元のPortが
443なら、機種変更後も443のままにします。使い慣れた値に変更しないでください。 - 次にシステムの許可を設定する。初めて接続を有効にするときは、システムの案内に従ってVPN構成の追加を許可します。システムの許可は新しいデバイスで行う操作です。旧デバイスで許可済みだったことを理由に省略しないでください。
- 接続とルールを分けて確認する。まずGlobal Routing → Proxyで一時的に接続を確認し、その後Global Routing → Configに戻してルールによる振り分けを確認できます。テスト後は本来の設定に戻し、一時的なテスト状態をそのまま使い続けないようにしてください。
- Configの適用結果を確認する。DIRECTとPROXYのどちらで処理されるべきか分かっている接続先を選び、接続ログと合わせて適用されたポリシーを確認します。接続スイッチがオンになっているだけでは、ルールが有効かどうかは分かりません。
- 最後に自動起動を戻す。手動接続が正常に動作することを確認した後、Settings → On Demandの条件を確認します。Wi-Fiとモバイル通信を切り替え、実際の動作も確認してください。
既存のサブスクリプションを使う場合は、復元された内容を確認してから、必要に応じて更新を1回行います。更新によって接続名が変わったり、無効な項目が削除されたり、サーバー側のパラメーターが置き換わったりすることがあります。更新後は、現在選択されている接続と、設定内で名前を参照しているポリシーを再確認してください。サブスクリプション更新による変化をConfigの読み込み失敗と混同しないでください。
移行時のトラブル:不足している項目を特定し、上書きを繰り返さない
問題が起きたら、まず不足しているのが接続情報、ルールファイル、動作設定のどれかを判断してから対処します。一度に変更するのは1項目だけにし、結果を確認してください。サブスクリプションの更新、ルーティング設定の切り替え、Configの置き換えを同時に行うと、問題の原因を特定しにくくなります。
新しいデバイスにConfigは表示されるのに、Homeが空なのはなぜ?
読み込んだファイルに接続定義が含まれているか確認してください。ルールだけのファイルでは、個別管理の接続一覧は追加されません。保存しておいたサブスクリプションURLまたは元の接続情報からHomeを復元し、その後Configのポリシー参照を確認します。リストを埋めるためにルールファイルを何度も読み込まないでください。
iCloudを有効にしたのに、2台のデバイスで内容が異なるのはなぜ?
Apple Account、システムのiCloudアクセス権、アプリの同期オプション、ネットワーク状態を順に確認し、具体的に不足している項目を照合してください。新しいデバイス上のデータをすべて削除したり作り直したりするのは避けましょう。旧デバイスのコピーを残し、急いで必要なConfigはファイルから補います。
接続できるのに、以前のルール振り分けが戻らないのはなぜ?
HomeでGlobal RoutingがConfigになっているか確認し、次にConfigで選択中のファイルを確認します。ProxyとDirectは、そのルールファイルによる振り分けとは異なります。Sceneを使用している場合は、実際に選択されているシーン設定も確認してください。
機種変更後、旧デバイスのデータはいつ削除してよい?
新しいデバイスで接続テストとルールの適用状況を確認し、既存のサブスクリプションを1回更新したうえで、独立したバックアップを開けることを確認してください。削除前にiCloudの同期範囲を確認し、このデバイスだけから削除する操作と同期先全体から削除される操作を区別します。不明な場合は旧デバイスのデータを残してください。
バックアップの基本:同期データと独立したコピーを分けて管理
iCloud同期はデバイス間のデータをそろえるための仕組みで、個別の書き出しは特定時点の内容を保存する方法です。前者は後からの変更が反映される場合があり、後者はサブスクリプションやルールの変更に自動では追従しません。そのため、2つの方法を併用してください。ルールを大きく変更するたびに独立したコピーを保存すれば、古いファイルだけに頼るより復元しやすくなります。
- 接続情報:接続を再取得できる情報を保存します。サブスクリプションの内容は、自分のサービス提供元側の状態と利用権限に左右されます。
- 設定:Configのテキスト、ルールの順序、ポリシーへの依存関係を保存します。読み込み後、実際に選択されているか確認してください。
- デバイス:VPNの許可、Global Routing、On Demandを改めて確認します。旧デバイスの動作状態を新しいデバイスでも同じだと決めつけないでください。
移行完了の目安は、同期スイッチがオンになっていることではなく、新しいデバイスで想定どおり接続でき、ルールが適用され、必要に応じてバックアップから復元できることです。読み込み可能なConfig、再取得できる既存の接続情報、簡潔な設定記録を残しておけば、次回の機種変更に備えた明確な復元手順を用意できます。